写真家 千葉和広


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2016/07/10

・・2011年6月 / 仙台港・・


震災1年目は「とにかく現場を見てみてみたい」という意識が強かった。いったい何が起こったのか、起こったことはいったい何なのか。自分の目で確かめ、考えたいと思った。

車のトランクに折り畳み自転車を積み、フィルムカメラには今はなきネオパン400プレスト36枚撮を詰めて「被災地」を巡り歩いた。

今になって1年目の撮影本数を数えてみると驚くほど少ない。70本程度だった。フィルム時代の報道カメラマンだったら1、2日で消費してしまう量だろう。

正直、もっとガンガン撮影しておけばよかったと後悔している。「写真家」などと意識高い風を装ってもしょせんはカメラマンなのだ。現場に行く以上、四の五の言わずに写真を撮るべきだった。撮ってナンボだ、躊躇するなら行かなければよい。

2016.7.11