写真家 千葉和広


姉妹サイト「 untalkative photographs 」は、ほぼ毎日更新。こちらのサイトは過去の写真も含めて動画とショートエッセイで随時更新しています。

2016/07/11

・・1996年 / 東京・JR中央線・・


旧サイトからの転載です。

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仙台に転居してからは電車というものにすっかり縁遠くなってしまった
昨年1年間で電車に乗ったのは5回ぐらいだったとおもう。仕事や街中へ

は徒歩か自転車、どこかへ出かけるときには自動車という地方ライフスタ

イルにすっかり馴染んでしまっている。


東京にいた当時は、もちろんどこへいくのも電車で移動した。はじめて
上京した19歳のとき、首都圏を網の目のように走る鉄道路線図を見て何

か圧倒されたような気分になったのを覚えている。

だが、というかあたりまえなのだろうが、そのようなある種の感動も日々
の利用の中で次第にうすれていき、最後には電車に乗るのもうんざりとい

う田舎青年おさだまりのコースを辿ってしまった。


この写真もそんな「うんざり」の日々に撮影した1枚。当時住んでいた
三鷹から会社のスタジオがある飯田橋までJR総武線で通っていた。平行し

てJR中央線が走っていて、本数が多い朝の通勤時は抜きつ抜かれつといっ

たかんじの同じような速度で中野駅あたりまで進んでいくことがよくあっ

た。


窓ぎわに陣取り、85mmの単玉をつけたニコンを首からさげ、平行する
列車に必死にカメラを向けていた。(と思う、車内では「ちょっと変な人」
扱いだったはずだ。)それでもその間だけは電車通勤も悪くはないな、と

思えるときだった。

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今回の記事にはあまりコメントすることは無いようです。未だにまさにこのとおり。

とりあえず付け加えるとしたら、我が仙台も昨年末、地下鉄東西線が開通して南北線と合わせて2路線になりました。

「 車内では「ちょっと変な人」扱いだったはずだ。」と書いていますが、いまなら犯罪者扱いだと思います。おそらく。

2016.7.11